気ままに樹紋

●ジュモン'絵ブログとして、スケッチ主体ではじめましたが、写真も加えることにしました。●画像は拡大(クリック)して見てください!

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妖精

20050218225933s.jpg

森の気配にふれながら湯に浸る。
母の故郷の、昔の風呂は家の外にあった。屋根や部分的な板囲いはあったが、裸電球の赤みを帯びた薄暗い明かりで入る、木桶の風呂は、温かった。
風と木の枝だ枝のこすれ合う音をBGMに、ともに湯船につかる叔父や叔母が、夜毎に聞かせてくれる、言い伝えや昔話が、楽しみであり時には怖かった。

ある夜。
少し風があった。風呂場から5~6メートル離れた所にそびえる杉の大木の茂みが、さざめいていた。まるで、ささやきのように。

一緒に湯につかっている叔母が、いつものように、話を聞かせてくれた。20メートルほど先にある、小さなほら穴にかつて棲んでいた、人をだます狐の話。

「おばちゃん、今、なんか言うた?」
叔母以外の声を感じて、私は訊いた。
「いいやぁ、なんも言うちょらんよ。気のせいたい」
そう言って、叔母は雌狐の鳴き声が雄狐とは違うことを実際にやって見せた。「ギャーーッ」

「ふーん。木の精…かぁ…」
下唇まで湯に埋まりながら、私は思った。
聞こえたのは、目の前に月に届く高さでそびえ立つ、杉の木の妖精の話し声。
不思議なもので今でも、あれはそうだった。と思うのだ。
下描き:鉛筆のあたり
画材:透明水彩絵具
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  1. 2005/02/18(金) 23:40:08|
  2. いきもの…
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

それは・・・

まぁそう信じるのが夢で・・・・
本当は木々の・・・

オイラも小さい頃友達の家の木の湯舟に
入り暖めてから、すぐ側の川に入って遊んだすよ~
  1. 2005/02/19(土) 12:11:03 |
  2. URL |
  3. chicoya #-
  4. [ 編集]

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